出てきた定期を取り、ゆっくりと振り返った。

カツヤはまだそこに立っていた。

少し寂しげな表情で笑っている。

こんなの。

これで本当にいいの?

私は何のためにカツヤと話しようしようって思ってたの?

気が付くと、私はまた改札を出て、カツヤの前に立っていた。

「え?」

カツヤは驚いた顔で私を見下ろした。

「ごめん。やっぱ私、もう少しちゃんと話したいんだ。」

カツヤは視線を落とした。

「だって、結局私は自分の気持ちちゃんと伝えれてない。それに、カツヤの本心だって、よくわかんないよ。さっきの話はすごく一方的じゃん。」

私はカツヤの腕を握った。

「だから、もう少しだけ時間ちょうだい。話しよ。」

握った腕を少し揺すった。

カツヤはようやく私と視線を合わせた。

「ね?」

私はカツヤに同意を求める。

「俺、これ以上話する自信ない。」

「?」

「それに、ナツミさんの話聞く自信もない。」

「どういうこと?」

カツヤは黙ったまま、私を見つめた。