「俺、マドカとやり直そうと思います。」

・・・。

え?

で、どういうこと?

カツヤは、マドカとやり直すって。

え?

動揺して、頭がパニックになった。

まさか、カツヤからそんな事を言われるなんて思ってもみなかったから。

「すみません。こんなこと。」

カツヤの瞳がはっきりと潤んでいた。

「こんなに俺のこと思ってくれる子って、マドカ以外にいないんじゃないかって結論に達したんです。ナツミさんは・・・。ナツミさんは、俺じゃないでしょ?」

しかも、先にカツヤから言われてるし。

言葉が出てこない。

言いたいことは山ほどあるのに。

なんだか訳わかんなくて、声を出す力さえも失われているようだった。

「今日も本当はマドカに会おうって言われてた。でも、俺はナツミさんにはやっぱり早くきちんと話をしたかったんだ。」

「それは、どうも。」

絞り出した言葉が唯一これだった。

情けない。

「ナツミさんは、俺にとって、大事な人だから。」

カツヤは潤んだ瞳で見つめてきた。

意味がわかんない。

さっきまで張りつめていたものが、急に失われた気分。