「うん、いいよ。」

「今日は両親とも、帰らないし。」

ドキン。

さっきから二度目のドキンだ。

敢えて、そのことを私に伝えるってどういう意味があるんだろう?

でも。

私の気持ちは一つだから。

短く深呼吸をして、カツヤに笑った。

「とにかく、今日はきちんとお互いの気持ちぶつけよう。」

カツヤは、ようやく私の方を見た。

その目は少し不安げだった。


そうだよね。

私は、なんだかずるい。

今更。

自分の本当の気持ちを伝えようとしてる。

カツヤの気持ちの真実を知らずに。


カツヤと二人、無言で家までの道のりを歩いた。