月曜日。

結局、あれからマドカにもカツヤにも連絡せずに迎えた今日。

タイスケにびびらされて、ドキドキしながら靴箱に向かう。

今のところ、誰からも何のアプローチなし。

誰かの特別な視線を感じることもなし。

軽くため息をついて、上履きに履き替えた。

「あのぉ、あなたがナツミさんって方?」

ふいに後ろから声をかけられた。

振り返ると、知らない女学生が立っていた。

どうみても、いわゆる悪ぶってる感じのタイプ?

思いきり校則違反まるだしの茶髪だし、間違いなく口紅も塗ってる。

スカートもやけに短いし。

その子の後ろには若干地味だけど、目つきのするどい女友達が控えていた。

誰?この子たち?

私が知らないってことは、3年じゃないんだろうね。

「はい?私がナツミですけど。」

普通に答える。

「やば。」

その子は後ろに控えてる友達に小さな声で言った。

「何でしょう?」

もう一度その子に向かって言う。

なんか感じ悪い態度だし。

「あんたがカツヤと付き合ってるわけ?」

・・・。

あ、いきなり、きたー!って感じ。

これが、タイスケに脅されてた、序幕ってわけか。

否定するも肯定するも、何も言わない私にその子は言った。

「あんたみたくダサダサ女は、カツヤには似合わないから。」

そして、後ろにいる女友達と顔を見合わせてふっと笑うと、その場を立ち去っていった。

な、何~?

なんなのよ!いきなり!