『ただいま電源が入っておりません』

どうして？

二人して電源入ってないって、おかしいでしょ？！

どうしよう。

誰に連絡すればいいの？

気づいたら、タイスケの番号を押していた。


「はい。」

低音の声。

久しぶりに聞いたような錯覚に陥る。

何だかわからないけど、その声が私の鼓動を鎮めてくれていった。

「あ、私。」

「着信見りゃわかる。」

相変わらずぶっきらぼうで冷たい。

でも、そんな普通な感じが今の私にはありがたかった。

「連絡つかないの。」

「誰に。」

「カツヤ・・・。」

「俺が知るか。」

「っていうか、違うの。そういうんじゃなくて。」

「なんだよ。」

「私の従妹とカツヤが昔付き合ってて、でも従妹はカツヤが忘れられなくて、でも私とカツヤが付き合ってるって知って、無理矢理あきらめるって言って、それからどこへ行ったかわからなくなっちゃって。」

「・・・。」

「さっき、カツヤなら何か知ってるかもって携帯鳴らしたんだけど、つながらなくって。」

「で、何で俺なんだよ。」

なんでタイスケなんだろう。

「わ、わかんないけど。」

「なんだよ、それ。」