たわいもない会話をしながら、ランチを食べ終える。

私の気持ちも随分据わってきた。

最後のドリンクが運ばれてくる。

私は、コーラ。

マドカはホットコーヒーだった。

コーヒーか。

私は昔からコーヒーってどうも苦手。

おいしいって思ったことない。

コーヒーをおいしく飲める人って、なんだか大人な感じがするんだ。

しばらく見ない間に、マドカは随分大人っぽくなった。

全寮制で厳しいから、髪型もストレートの長髪のままだけど。

なんだか、ふわっと香り立つ、女らしさみたいなものが感じられた。

私には到底出せないものだけど。

「マドカ、なんだかきれいになったね。」

「え?うそ。うそでも嬉しいけど。」

マドカはカラカラと明るく笑った。

でも、どことなく寂しそうに見えるのは気のせい?

「カツヤは・・・・どう?仲良くやってる?」

マドカはコーヒーに目を落としながら聞いてきた。

「あ、うん。まだ付き合い始めてそんなに経ってないからよくわかんないけど。カツヤは優しいよ。」

「そっか。」

「うん。」

「カツヤから、告白したんだよね?」

「うん・・・ってどうしてわかったの?」

「いや、カツヤからそう聞いたから。」

「・・・そっか。まだ連絡とりあってるんだもんね。」

急に心の奥の方がきしんだ。

嫉妬とはまた違う何か。

信じてたものに裏切られた、そんな感覚。

「カツヤは、ナツミにかなり本気っぽいよね。」

「そう?」

敢えて白々しく言ってみた。

「そうだよ。わかんない?私が付き合ってた頃は、いい気になって色んな女の子にちょっかいかけてたけど、今はナツミに一途じゃん。」

「さぁ、どうだか。」

「信じてあげてよ。」

「でも、マドカとは連絡とりあってるんでしょ?」

マドカはだまった。

私・・・嫌な性格。