「ねーねー、ナツミ見て見て。小栗旬くんが出てるよぉ!」

急にお母さんがテレビを指さして黄色い声を出した。

あ、本当だ。

「前から思ってたんだけど、小栗旬くんってちょっとタイスケくんに似てない?」

はぁ???!

似てるかっての!

「お母さん、老眼が進んでんじゃない?こんな格好いいわけないじゃん。」

「そぉ?最初に見かけた時から思ってたんだけどなぁ。格好いいナーって。」

ふん。

鼻で笑いながらも、テレビに映る小栗旬くんをまじまじと見てしまう。


少しだけ。

ほんの少しだけ似てるかも。

目と鼻と口がついてるところがね。


「ごちそうさまぁ。」

私はカレーを平らげると、満足感がわかないまま自分の部屋へ向かった。

机の上に置いた携帯を広げる。

あ。着信ありだ。

そっと携帯を開いた。


田辺マドカ。

うわ

久しぶり!

マドカは私の従妹。

小さい頃から本当の姉妹みたいに仲が良かったんだ。

でも、二人とも高校入ってからはなかなか連絡とれなかった。

急いでマドカの携帯にかけた。