紙袋にずしりと入った問題集をタイスケから手渡された。

「これ、全部春休み中に一通りやるんだぜ。」

「一通りって!絶対むりだって。」

「んなことない。1日10ページずつやりゃ、なんとか目処がつく。」

「1日10ページ?そんな時間どこにあるってのよ。」

「お前、暇だろ。それくらいの時間いくらでもあるじゃんよ。」

「暇って。私のことどんなけ知ってるってのよ。」

ふくれっつらでタイスケを睨んだ。

タイスケは一瞬口をつぐむ。

「ま、お前のことなんて、ほとんど知らないけどさ。」

そんなにシュンとした顔すんなっての。

「とりあえずさ、俺が毎日10ページやった中でわかんなかったとこは教えてやるから、まかしとけ。」

まかしとけって。

毎日・・・?

「毎日ってどういうことよ。」

上目使いでおそるおそる聞いた。

「毎日図書館通うぞ。そこで一緒にやるんだ。この問題集。」

はぁ!!!?

目の前がくらっとする。

せっかくの春休み。

なんでタイスケと毎日図書館に通わないといけないわけ?

その時、タイスケが私を飛び越えた先に視線を向けた。

「おっ。お前も来てたのか。」

お前も来てた?

ゆっくりと振り返る。


そこには山内カツヤが立っていた。