私は。

カツヤのこと、嫌いじゃない。

カツヤといると、少しずつカツヤに気持ちがゆれるのがわかる。

こうやって、付き合って、距離が縮まって、すこーしずつ、好きになっていくものなのかもしれない。

そういうのもアリなのかもしれない。


そう考えると、今までココロの奧の方にあった、もやもやしていた何かが澄みわたっていくようだった。


でも。

カツヤと一緒にいる自分は、やっぱり好きになれない。

そのうち、好きになれるようになるのかな。


気が付いたら、二人で笑いながらキスをしていた。

カツヤと初めてのキス。

そして、私の人生で初めてのキス。


いつのまにか空には月が出ていた。