薄暗くなった公園の奧にあるベンチに二人で座った。

ベンチは座るとひんやりとしている。

少しほてった体には丁度いい冷たさだった。

「急にあんなことしたり、付き合ってること言っちゃったりしてごめん。」

カツヤは静かに切り出した。

私は何とも言えない気持ちだったから、微妙な表情で首をふった。

「俺、本当に子どもだよね。今でも、ナツミさんがタイスケさんに気持ちがあるんじゃないかって不安でしょうがないんだ。だから、力づくであんなことしちゃって。情けないよね。ほんと。」

カツヤはうつむいて頭を掻いた。

「ううん。そんなことないよ。そういう風にカツヤを不安にさせてる自分に問題があると思うし。こっちこそごめんね。」

私もそう言うとうつむいた。

「あのハルナって子。」

突然ハルナの名前を出されて、心臓がドクンと大きく跳ねた。

「あ、ああ。マネージャーになった子ね。」

努めて冷静に返す。

「タイスケさんとは幼なじみみたいだよ。」

「そう。」

「仲はいいけど、付き合ったりとか、変な関係になろうとかそういう子じゃないってタイスケさんが言ってた。」

カツヤはどうしてそんな話を私にするの?

「ハルナちゃんて、昔から体が弱いらしくって、小学生の頃は半分入院してたらしいよ。」

「そうなんだ。」

あの透き通るような白い肌が私の脳裏をかすめた。

だから、タイスケはあんな風に優しく接してたのかもしれない。