タイスケは時計を見ながらしばらく考えていた。

「じゃさ。映画は、来週末絶対観についていってやるから。今日は本屋にしようぜ。」

な。

何言ってんの。こいつ。

なんでまた、来週わざわざタイスケと映画観に出かけなきゃなんないの?!

ふぅ。

でも、このタイスケの表情。

私がいくら言っても意思を曲げなさそう。

こういうとこだけ変に亭主関白っぽいってか。

疲れる。

タイスケはすっと立ち上がってすっからかんになったトレーを持ち上げた。

「行こうぜ。」

ったく。

マイペースなんだから。


私はどちらかというと、お尻からついていくタイプだから、誰かが決めちゃうとそれ以上強く言えなくなっちゃうんだよね。

それって、なんだか損な性格。

最近気づいたんだけどさ。

心の中でぶつくさ言いながら、タイスケの背中についていった。