カツヤが穏やかに二人を私に紹介する。

「この二人がマネージャー希望だそうです。」

「あ、はぁ。」

力無く答えた。

ちらっとハルナちゃんを見ると、視線は遠くにあった。

ウルウルとした瞳で、結構マジな顔して見つめてる先には・・・。

タイスケがいた。

え?まじで?

こんなかわいい子が、タイスケに目をうるませてるって。

あんな無神経バカ男に?!

冗談じゃないわよ。

だから、マネージャーになりたいってか?

そんな不純な動機でマネージャーなんかやられたら、こっちがたまんないわよ。

って、私は何に腹を立ててるわけ?

それよりも、ミズキって子が明らかにカツヤに対して気があることに、もっと注視しなきゃなんないんじゃないの?

今度はちらりとミズキちゃんを見た。

ミズキちゃんはうつむいていたが、時々視線だけ上げてカツヤを盗み見ていた。

ははぁん。

この子はカツヤ狙いってわけか。

いずれにせよ。

イライラしてくんなー。

しかも、私がわざわざここまで足運んでやったってのに、挨拶もせず、二人とも男に視線を送ってやがる。

ふざけんなっての!

「あんた達。」

思わず低音が口から出ていた。