コンコン
「はーい」
私は部屋に運び込まれた荷物を
ダンボールから取り出し、並べていた。
「あけるよ」
優しい声がして、和紀さんが部屋に入ってきた。
「手伝うよ」
和紀さんは箱のガムテープをビリビリと剥がし始めた。
「あっありがとうございます。」
慌ててお礼を言うと
「敬語はやめて。
僕のことは兄貴だと思って気楽に接してほしい。
僕も妹ができたみたいで嬉しいから
花香って呼びたいんだけど、良いかな??」
「もちろん!!
…なんて呼んだら良い…ですか??
あっ…かな??」
「おにいちゃんって呼んでほしいな」
えっ…おにいちゃん??
なんだか恥ずかしいよ。
「嫌かな??」
「そんなっ…おにい…ちゃん」
恥ずかしくて顔が真っ赤になるのがわかる。
和紀さん…いや、おにいちゃんは
はにかんだ表情で片付けを再開した。
おにいちゃんの協力もあり
片付けはわずか1時間で終わった。