授業が終わると、私は部活をするために
体育館裏のテニスコートに行く。
背も低いし、弱そうに見えるけど
実はテニス部なのだ。
「花香〜今日はダブルス練だよ」
私とダブルスを組んでいる秋ちゃんは
私の肩をポンと叩くと
よろしくー、と言ってコートに走って行った。
秋ちゃんは中学から私とダブルスを組んでいる。
「秋山…香織…」
どこかで聞いたことのあるような声が
風に乗って耳に入ったような気がして
思わず振り返ったが誰もいなかった。
「変なのー」
私はなんとなく嫌な予感がしたが
気にせずコートに入っていった。