「簡単に産むって
ゆうてるけど、産むんは誰でも産めるんや。それから、
育てていかなアカンのやで?
育てていくって事がお前らにはどうゆう事か、
まだまだ分かってないやろ。
まだ子供のお前らに子供を
どうやって育てていくんや?
まず、出産費、入院費は?
産まれてからの養育費、
どうすんのや?
今は産みたいだけで言うてるかもしれんけど、
ちゃんと産まれた後の事、
考えてるんか?
お金だけの問題ちゃうけど、
お前らがどこまで真剣に考えて
産むって言うてるんか、
聞かせてくれんか?」



父に淡々と言われ、


言葉に詰まる。



彼「俺がちゃんと働きます。」


父「あんたは今、大学生やろ?」

彼「大学辞めて働きます。」


父「その大学の費用は誰が払っとるんな?親ちゃうんか?」


彼「…はい。」


父「そやろ。
親がどんな想いして
自分の子供、大学通わせてると思う?そんな簡単に辞めるゆうてやめれるんか?
親の気持ちも考えや。
途中で辞めて欲しい思て高い大学費用払って通わす親、
どこにおるんな?」


彼「………。」


父「産む事に反対してるんちゃうで?けど、
まだ自立も出来てへん、
親に面倒みてもらって生活してるお前らが、
どうやって子供産んで
三人で生活していけるんなって、よう考えな。
二人には、その覚悟があるんか?」



彼「……。」



父「…まだ二人共若いし、いっぱい遊びも、やりたい事ももあるやろ?でも、
子供産んだら今まで自由にやれてきた事、なんも出来やんで。
全て子供中心の生活になるんやさけ。その子の人生がお前らにかかってくるんやで?出来るんか?
産みたいだけでは、飯は食っていかれへんのやで?」




父の言葉の一つ一つに

重みを感じ、自分がなんて

浅はかな考えだったのかと、



想い知らされた。