病院に着くと同時に
私の携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると
〝新着メール1件〟の文字。
開いて見ると、
彼からだった。
題名:FW:FW:FW:FW
――――――――――――…
そうか。
俺、忙しいから
終わったら連絡して。
…――――――――――――
ほんのちょっとだけ。
期待してた。
もう、
怒りはない。
涙なんか
流れない。
私は、私の携帯から
〝彼〟を
〝消去〟した―――――…
手術台の椅子に座り
両手、両足を太い革のベルトで固定された。
看護婦さんに
〝暴れない為。〟
と、説明された。
腕に麻酔を射たれた。
段々と
意識が遠のいていく――――
手が温かい。
目が覚めると、
母が私の手を握っていた…。
涙が出た。
あまりにも、
その手が温かくて…………
あれから約4ヶ月経った今。
私の中で
〝男〟
と言う存在は
〝道具〟
でしか無かった。
〝どうせ口先だけ〟
そう、思い続けていた……。
でも、
心の何処かで
〝寂しさ〟や
〝虚しさ〟を
感じていたのかもしれない。
そんな思いを
〝暇つぶし〟で
紛らわせていた…
…のかもしれない………。
初めて、今日
それに気づいた…
「なにボォーッとしてん!!」
私の顔を覗き込みながら大きな声で叫ばれた。
『…あ。ごめん。…眠ってた………かも…笑。』
ちょっと言い訳苦しいかな…
言い終わった後でそう思った。
「俺の歌声は子守唄か?!」
笑顔で突っ込まれた。
その笑顔を見ると…
何故か自然と私もつられて…
笑ってしまう…。
と、ゆーより…
例えれば………………
釣られた池のコイ……
…状態。
エサは極上の
あんたの笑顔。
【例えが下手?!
…はい。すんません…↓↓】
本当に、
もう、誰も
愛せない、と
思ってた。
今日までは……………。
「うわッ!!!
もうこんな時間やん!!」
時計を見ると…
3時を廻っていた……。
『ホンマや!何時間ここに居てるん?!10時前からやから…』
確実に
5時間は歌い続けていた……