貴方に出会ったのは駅前のコンビニ。
ガラス越しに目が合った
今も覚えている。
恥ずかしくてうつ向たまま直視出来ずにいた貴方の顔。
貴方はどんなキモチだった?
止まらない唇。
早口で一気に飛んでくる言葉。
聞き取るのがやっとだった私。
後で聞いた
『緊張して止まらんかった』
貴方は恥ずかしそうに言った。
あそこから始まった私達。
一気に距離が縮まった。
貴方は私に聞いた。
「どこが良かったん?」
「どこやろ?」
とぼけてみせた私。
今なら言える。
〝目が合ったあの時から〟と。
そんな言葉言っても貴方は信じないだろうけど。
そんな甘い時を過ごしていたのに――――……
今私は
目に映るモノ全てを瞬時に
脳をフル回転させ
〝使える〟〝使えない〟
の二種に振り分けていた。
ハサミ、カッター、窓、タオル、水、電車、エレベーター…
どれが一番いいだろう?
喉に突き刺せば?
手に力を込め引き抜けば?
空を飛んだら?
首の骨が折れる程強く?
頭に重しを乗せる?
飛び込めば?
身体半分を圧迫された状態のまま〝①階〝とランプを光らせれば?
どれが確実に
死ねる?
『死ぬのは怖い』
でも
『生きていたくない』
そんな言葉を吐く私を見て貴方は
「被害者面すんな」
そう思うだろう。
一番の被害者は
こんな腐った未成年のお子様に掴まってしまった〝貴方〟
気付いて
苦しむ必要などないから。
早く、私の側で居る事を
〝間違いだった〟と
早い方が傷の治りも早いから
『めっちゃ愛してる』の
〝めっちゃ〟の量を知りたがる
『ずっと一緒に』の
〝ずっと〟の期限を訊きたがる
この恋の終わりは
誰でも予想出来たんじゃないか
そう思う。
そして、
確実に
その引き金は私。
そう
解っていながら
自分勝手な私は
貴方を手離す事が出来ず、
だけど
苦しむ姿を見たくない。
なんてまた
被害者面した考えしか浮かばず、
自分自身が楽になれる
逃げ道ばかりを捜す。
やっぱり私は
自分が一番可愛いんだろう。
こんな私が貴方を
『愛してる』
なんて吐いた所で
信じる筈がない事さえも解りきっているけど。
『愛してる』
なんて言葉の本当の意味など分かってもいないけど。
やっぱり私は
〝貴方を愛してる〟
言葉に意味を求めるのなんて
無意味じゃない。
言葉なんてただの
〝音〟でしかないから。
でも、そう解っていても
云わずには要られない。
想いが、心が
目に見えるモノなら
貴方は信じてくれるのだろうか?
私は
私の何処を信じろと
貴方に望める?
貴方を
裏切った私の何を信じれる?
自分で自分を信じる事も出来ずにいるのに
まして
誰かを信じる事など出来る訳もないのに
自分は…
〝信じて欲しい〟
と欲する。
結局。
私は私しか愛せない。
誰かを〝愛する〟なんて
一生出来ないんだろう――。
なんて
自分で自分を解った様な事を並べて
自己満足。
何がしたい。何かしたい。
何がしたい?何も出来ない。
何も無い。
何かをする事に意味があるなら
その何かをしたい。
でも何がしたいか解らない。
だから
何も出来ない。
だから
何も無い。
こんな事を考える事に意味はあるのか
何を考えてるのか
自分がわからない
ただ、ボーっと
毎日流れ行方日々に身を委ね
昨日と今日
今日と明日
区別も境界線も見えないまま…
もう
投げ出して
飛び出して
何がしたい?
時をかける少女の様に
Timeリープ
『もう一度 やり直したい』
もう一度。
はじめから。