実をいうと、あたし、一ヶ月だけ付き合ったことがあります。


中学三年の夏。


クラス…………いや、学校で一番人気のある男子に告白された。


結木和彦。


サッカー部のキャプテンで顔が綺麗すぎるくらいに整ってて、なのに気取ってない人。


プラス……おばあちゃんがロシア人で全ての色素が薄くて、更に綺麗。


中学三年の夏、一年で一番大きな花火大会に、あたし・亜由美・結木くん・そのほか男女二人で、女子は浴衣で行きました。


それで花火が上がって大盛り上がりのとき、握っていた携帯が鳴りだしたの。


携帯を開くとメールが来ていて、その相手はなぜか隣にいる結木くん。


さっきまでみんなで普通に遊んで普通に話してたのに、なんでメール?って思ったのを覚えてるなぁ……


[如月が好き。俺と付き合って]


メールを開くとこの言葉。


好き?付き合って?嘘でしょう?だってあの結木くんだよ?


信じられないっていう思いが頭の中をグルグル。


花火を見ても何も感じない……周りの音も聞こえない。


ぼーっとしてて……だけど異常に胸がドキドキしたんだよね。


今までにはないような感情。