なーんて嘘。


あたしの素を出せるのが亜由美と達だけであって。


もうあれは思い出したくない。


亜由美にしか言えてないし、達にはもちろん言えない。


そんなあたしも元気に頑張ってるし!


今のクラスは亜由美も達もいて、すっごくすっごく楽しいし。


毎日面倒な時間もあるけど……


「紅、宿題写させて!この通り!一生のお願いだから!」


ほらね、来た。


あたしはなぜか小学一年から達の宿題係。


「写させて〜」って、毎日毎日。


簡単な足し算も引き算も、英単語だけの問題も。


「一生のお願いって、毎日じゃん?ほら、いいよ」


嫌がってるふりしつつも宿題を渡してしまってるあたし。


優柔不断な所は昔から変わらないんだよね〜……


どんなお願いでも達にだけは「わかった」って言って甘やかしちゃう所、いつまでたっても治らない。


もうこれは病だよね。


自分でも諦めかけてるし。


「紅さぁ、達弥には甘いよねぇ」


横で亜由美があたしに耳打ち。


にやけながら、これもまた毎日毎日。