「珍しいじゃん。まだグランド行ってないなんて」


「あぁ、明日の遊び、ダチにキャンセルしてたから」


ちょっと口を尖らせて、不機嫌そうにあたしを見る達。


あたしはしらばっくれるんだけど。


「てかさ、明日どこ待ち合わせ?雄介来るなら駅に近いほうが良くね?」


「まだ決めてないから夜二人にメールする」


なんかさ、聞いてたら誰でもわかると思うんだけど、あたしたちって冷めてるんだよね。


長くいすぎてちゃけたりはしゃいだり、そういうのはあんまりないし。


なんていうか、一緒にいて落ち着くっていうか安心するっていうか。


変わらないのは好きって気持ちと一緒にいたいって思うこと。


冷めてるようだけど、あたしたちの関係はそれでいい。


「じゃあ紅、帰り待ってろよ」


「うん」


あたしたちはこれから練習準備で、達は練習。


練習早く終わんないかなぁ……


ていうか早く明日になって欲しい!


達と会えるし♪


何たって久々なんだもんっ。


「紅、にやけてるけど」


「にやけてなんかないよっ」


舞い上がってたあたしは、何にも心配なんてしなかったんだ。