「紅……」


優しく名前を呼ぶ柔らかい声。あたしの体を引き寄せる腕。頬に触れる指先。段々と近付いてくる二重の目。唇に触れた唇。


初めてだらけで、なんだか眠たくなってくる。


感覚が麻痺した感じ。


和にすっぽりと包まれて更に鼓動が早くなった。


あたしのファーストキスは、ずっと恋焦がれていた達じゃなく、和だった。


初めて抱き締められたのも、和だった。