「山の男の子って…。…やっぱり君は、あの森で迷子になっていた子なのかな?」
「はっ…はいッ!!も…もももちろんそうでありますです!!」

うわっ…我ながら、変な言葉づかいだ……!!最悪!!最悪!!どうしよう!!変な子だと思われたかも…?うーーーーーーわーーーーーーーーーーー!!!
なのに、

「…くす。面白い子だね。君は…」

山の男の子は、私に笑いかけてくれた。

ボンッ!!

と私の頭の中の妖精が弾けた。妖精は、「き…きゃっ!!笑ってくれた。笑ってくれた…!!いや~ん☆あたし、超嬉しいんだけどぉ~~~~♪」
………と、言っていた。ある意味、私の頭の中にそんな妖精が住んでいるなんて、…気持ちが悪い。

まぁ、とにかく私の頭の妖精が喜ぶほど、彼の笑顔は綺麗だったのだ。…元から顔立ちは綺麗なのだが。

…………………………。

いやっ!!違う!!名前を聞かなきゃ!!聞くのよ!!私!!
山の男の子じゃ、どうも駄目だ!!ガンバ!!

「あっあっあっあの!!!」
「うん?なんだい?」

…駄目だ。あの彼の眩しい笑顔に、私は勝てない。私も先生と同じように、敗退だ。
いやっ!!駄目だ!!そんなことをしたら、柊家の名が廃る!!
よし…。息を吐いて…―――――。すーはーすーはーすー……。

「あなたの…っ…」

「あなたの…?」

「あなたの……ッあああああああっ!!」

「…………?」

しまった!!叫んでしまった!!