遠ざかるテールランプを見届けると、またいつもの様にネオン街に足を運ぶ。

所詮私の居場所は・・



ここなのかもしれないと思ってしまうほど、煌びやかな世界。

いつものコインロッカーに制服を忍ばせて、私服にトイレで着替える。

できるだけ大人びたメイクをほどこすと、うざいぐらいにオヤジ達の視線を浴びるんだ。




家で無視されつづけるより、母の罵声を浴びるより、オヤジ達のごつごつとした手の中にいたほうがマシ・・







「ねぇ・・暇・・・?」







ほら・・ね


また今宵も大人が、私達みたいな女の子を求めにくるんだ。








「・・ったく・・」

「・・え?」






力強い腕が、強引に私を抱きよせる。








「悪い!こいつ、先約あるから」










見上げたスーツ姿は・・海野先生。









「お前さ・・今日は帰れっていっただろ・・?」

このスーツ見覚えがある・・





あの日も。。



こんなふうに声掛けられた日だったっけ・・





「どうして・・?」

「今夜は・・夜回りの担当なんだよ・・これで、お前助けるの2回目だぞ・・?」


少しあきれ顔の眉毛








「ありがとう」


今にも消え入りそうな声でお礼を言うのが精一杯。








だって・・


改めて見るスーツ姿の海野先生は・・一段とかっこよくみえてしまうんだ。