「はっ?何言ってんの?見つかったら、学校中噂だよ?」

ノロノロと外車を私に横付け。

しかも、この車クソでかい。

「噂?噂なんて関係ねぇよ。いいから乗れよ」


前回みたく、雨が降ってたりしていたなら、乗っても違和感ないけど…

なんて…どうしてあたしが先生の心配なしなきゃいけないんだろう?

「知らないよ!」

乱暴にドアを開けて、助手席に座り込む。

上等!って言ってるみたいな憎らしい笑顔をしてアクセルを踏み込んでいた。

「美香。お前今日も、繁華街?」

「……」

「そんなに困ってんなら…俺が金だしてもいいぞ?」

「はっ?」


「俺が金で、お前を買うよ。だから…繁華街行かないで家帰れ」

「それって、先生の専属って事?」

「ちげぇよ!」


「先生…あんた勘違いしてるよ。金欲しくて立ってるわけじゃないんだ」

「じゃあ、なんだ?」

じゃあ…なんだって…

居場所がないから…なんて…小さなプライドが邪魔して言えないよ。


「あたしの勝手だろ?」

「確かになぁ…でも、今夜は帰れ」


いつも以上に強い口調。

渋々頷き、地下鉄付近で降ろされたものの…

やはり…帰りたくなんかなかった。