あなたがどんなか知らないあなたがいるのか知らないあなたの顔も知らず
あなたが顔を持つのかも知らない
こんな独り善がりな沈黙
狂気の成れの果てで尚
呼びかけをやめないことをこの世では
信仰というの
慣れ始めた
蒼白のさすらいに
不釣り合いな

暗雲が立ち入る隙のない
陶器のような表面は
破壊など素知らぬ様で
皹が入る瞬間を
認めることはない
でも土に還る頃には
雨水を飲んで
足跡にまみれたこと
もしかしたら
閃光の様に
浮遊する形見の眼を
砂の粒子が
思い出すかも