燃え尽きた夕闇に
引き渡した惜別
紅のフィルターに
濾されて滴る
この痛み
曖昧でいるよりも
体に刻まれた傷痕を
無防備に晒す方が
はるかに心地よい
誰ともわけあえぬ孤独は
きっと解き放たれる
前触れ
熟した果実に
手を伸ばし
摘み取るのを一瞬
躊躇する
それが
植え付けられた感覚なのか
もうに私は
頼る術がない