『お兄さんの...
 
 森園智成さんで
 間違いありませんか...』


「..........ハイ」



いつか観たテレビの一場面(ワンシーン)のように
冷たいベッドに横たわる兄の姿に
呆然してるあたしに
警官は淡々と兄の身元を確認し署名を求める

『他にご家族は?』

あたしは小さく首を横に振る

『そうですか...
 では、病院の方と相談して
 お兄さんを搬送したりなどの
 今後の段取りを組んで下さい』

警官は淡々と事務的に役割をこなし帰って行った


「ふぅう...」
あたしは大きく息を吐き出しながら
力が抜けるようにその場に座り込み
ひとしきり泣いた後
伯母に連絡を入れた

真夜中の電話にも関わらず
伯母はすぐに病院へ駆けつけてくれた