「そうなんですか…」


だめだ、
ここで出しちゃ


「うん、じゃあ俺そろそろ
 行くから?」


「あ、はい」


そう言って夷月は
立ち去ってしまった。


今からあの彼女のところに
行くんでしょ?


あたし…
なに勝手に盛り上がってんだか。


「ほんと…ばかみたい。」


あたしの目から一筋の
涙がこぼれた。