ホッとしたのもつかの間、次の瞬間…
「翔吾の後ろ、なんかいない?」
「はっ?何言って…」
「だって、鏡に映ってるもの」
冗談だと思い、視線を鏡に向けると…
確かに俺の後ろに誰かがいた
だけど、普通の人ではなく、髪がダランとしていて、ところどころ血が見える幽霊なような女…
ただの子供騙しかと、思った瞬間…
ギロッ
いきなり、その女が鏡越しで俺を見た
俺はすかさず後ろを向いたが、誰もいない
まさか…本物…
「どしたの?顔が青いよ?」
「い、いや、なんでもない…」
こんなとこでビビるな
俺はもうあのころの俺じゃない