そんな私は

何も変わらないまま

女子高生になった。



父親とは週一で会っている。


元カレの数は数知れず。




「樺山直弥!」


かばやま なや

私の名前。


「なんですか〜・・・うるさいなぁ。」


「その短いスカートは何だ!

パンティが見えちゃうだろーがぁ!」



熱血生徒指導の須藤恭一。


若い男で、

ぱっちりした目に可愛らしい顔立ち、

体育会系のがっしりした体格、

そして、親しみやすさから

生徒からは大人気。



「サービスです。」


私のあっけらかんとした態度が

お気に入りなようで。


須藤はよく私に絡んでくる。



かなりいい迷惑だ。


「はっはっは!

樺山は男の味方だな!」



・・・・なにそれ、

意味分かんない。



少し背を向けると、

須藤はあっという間に

女子生徒に囲まれる。


「きょーいち!おっはよぉ〜!」

「こら!須藤先生と呼びなさい!」

「や〜ん、似合わない〜!」


キャハハハという笑い声を

背中越しに聞きながら

私は昇降口へ向かった。





「直弥!」


教室のドアから

ひょっこり顔を出したのは

親友の友香里。


「友香里〜!」



「直弥、また須藤に絡まれてたね〜!」

友香里は意地悪くフフッと笑う。


「・・・本気で欝陶しいよ〜」


友香里はハハハッと笑って

脱落した私の肩にポンッと手を置いた。


「意外に須藤が直弥のヒーローかもよ?」


「え!やだぁ!!」



冗談でも嫌だ。


私のヒーローはきっと

一目みて分かるくらい素敵な人。



須藤みたいな煩い奴とじゃ

比べものにもならないんだから。




友香里は申し訳なさそうに笑った後、

直弥のヒーローが早く見てみたい

と言った。





私も、早く


会いたいよ・・・・。






もし本当にいるのなら・・・・・・