部屋に入ると、高島君の香水の香りがほのかにしていた。


正面にある窓から、さっき通って来た大通りと川が見える。


エアコンを付けて、
テキトーに座ってて?
と言い残して、高島君は1階に下りて行った。



部屋に取り残された私は、センターテーブルの前に座って部屋を見渡す。


窓辺にベット。
その横に机。
そのまた横に大きな本棚。

雑誌や本や小物が、キレイに並んでる。


高島君のモノトーンで統一された部屋。


ここに居ると思うと、なんだか胸がくすぐったい。



暫くして、高島君がトレーに色々乗っけて戻って来た。



「こんなもんしか無かった。チンしたパスタだけど、タラコとミートどっちが良い?」


そう言いながら、お茶やコップやパスタをテーブルに置いていく。



「ありがとう。
じゃあミートソース。」



私がそう言うと、



「やっぱりミートソースだと思った。この前もトマト系好きって言ってたもんね。」



そう言ってニカッとする。


大した事じゃ無いかもしれないけど、小さな事でも覚えてくれてただけで嬉しい。

恋ってこうゆう小さな嬉しいの積み重ねで、深くおちてていくのかな。