高島の自転車の後に乗って、大通りを抜けて路地に入る。
駅から真逆のこの辺には
来た事がなかったから、
風景が新鮮に思えた。



沢山のお家が立ち並ぶ、閑静な住宅街。



その中に彼の家があった。
白い外壁に濃いブルーの屋根。

整理された庭に、キレイなグリーンの芝が揃って並んでいた。



「カワイイお庭だね。」



自転車を下りた私は、思わず笑顔で言ってた。



「なんか母親が好きみたいで、よくいじってるみたい。」


そう言って私を玄関に通す。
ドアが空いて、玄関に入る。緊張する心を 出来るだけ落ち着かせて、ドアの向こうに聞こえるくらいの声で



「おじゃまします…。」



「ただいま…。あれ、いない?出掛けたかな?」



すぐ後から入って来た高島君が、リビングっぽい部屋の扉を開いて部屋を見渡してる。そして振り返って、笑顔で私を招き入れた。



「いないみたい。
まぁとりあえずどうぞ。」



後から家の人帰って来て、
誰もいないのに、上がっちゃって私図々しい
とか 思われないかな?



私の心配とはよそに、2階にある高島君の部屋にたどり着いた。