暫く沈黙が続く。

店内は沢山の客でザワザワしているのに
私となぉの座っているこの席だけが、別の空間に在るみたいに表情も空気も重くなった。


私はなぉを見つめたまま、止まってしまって言葉がでてこない。

なぉも下を向いて、涙をこらえてる。




こんな時、何て声をかけてあげたらいぃの?


気のきいた友達なら、うまく励ましてあげれるのかな?


でも、私の頭には、
何も浮かんでこない。


あの日から、なぉは1人で
きっとずっと悩んだんだろうな。


そう思うと切なさで、
胸が苦しい。


でも今、なぉはもっと苦しいんだよね?



何もしてあげられなくて
励ましてあげれなくて


本当にごめんね…




私の瞳にも、熱い物が込み上げてくる。





「1人で苦しかったね、なぉ…。」



気がつくと、私は一言だけ。
なぉの瞳をしっかりと見て言っていた。




少し和らいだなぉの瞳から
大粒の涙がこぼれ落ちた。