話に夢中になっていて 時間に気がつく頃、空は暗くなっていて一番星が光っていた。
街の灯に車のライト。
すっかり夜になっていた。
「駅まで送って行くよ。」
高島君がそう言ってくれたので、高島君の自転車の後ろに乗る。
周りから見たら私達、恋人の様に見えるかな…?
すれ違う人達の目線が気になる。
自転車が駅に向かって走り出すと、高島君の香水の香りがフワリと薫る。
キレイな海の爽やかな香り。
「いぃ匂い。」
思わず言葉にすると、高島君が振り返って、優しく微笑む。
その笑顔に
胸がキュンとする。
もっと一緒にいたいな…。
自然と高島君に捕まっている手に力が入る。
ガッチリとした男の子の背中。
緊張していたのが嘘の様に、落着く…。
私の気持ちを察したのか、信号待ちしてるとき、高島君が振り返って真顔で言う。
「また遊んでくれる?」
顔と顔が近くて目が合ったまま、目が放せない。
「私こそ、また遊んでね。」
私は止らないドキドキと、照れてるのを、隠し切れないまま答えた。