「じゃあ行こっか。
何食いたい?」
私の所まで来て自転車から下りた高島君が、爽やかに笑って言う。
制服姿もいいけど、
キレイめなアウターにダメージデニムを合せている。
イメージに合っていて、私服の高島君はまた違う感じで、カッコイイ。
なんか大学生みたいだ。
「私は何でもいいょ。
おなか空いちゃった。」
私も出来るだけ普通な笑顔で返すけど、内心ドキドキ過ぎて、多分引きつり笑顔になってると思う。
「俺も朝食ってないから結構減ってるんだよね…。
そうだな~パスタでどう?
ファミレスだけどね。」
そう言ってニカッっと笑って見せる。
もぅヤバイ。
その笑顔でおなかイッパイになりそうだよ。
そう思いながら、高島君がどうぞって格好をして指差している自転車の後ろに乗る。
「落っこちないように、ちゃんとつかまっててね。」
ハンドルを握り、振り返ってそう言うと高島君は自転車をこぎ出した。
少し冷たい風が、頬をすり抜けて行く。
その風にのって、微かに高島君の匂い。
香水かな…。
爽やかな香りに、私の緊張がほぐれていく気がした。