しばらくボーっと夕焼けを眺めていた。
でもどんどん日は沈み、空はオレンジからパープルに変わって東の空はすっかりネイビーブルーだった。
さっきまで温かったこの部屋も、薄暗くて寒い。
日が沈むのも、暗くなるのも普通の事なのに不安になる。
テーブルの上のケータイを手にとる。
なぉに言われた言葉が一瞬、私にブレーキをかけた。
でも、声が聞きたくて
繋がりたくて
押さえ切れなかった…。
発信履歴の中から、高島君の名前をプッシュする。
プルルルル…プルルルル…プルルルル… … …
出ない…。
お願い!
出てょ。
せめて声が
声だけで良いから聞きたいよ。
そうすればきっと安心出来る。
この前の電話のあの違和感は、私の勘違いだったって思えるはず。
いつもの温くて優しい高島君の声が聞きたい…。
聞きたいよ…。