「結局家でゴメンな。」



高島君の家に着いて、部屋のテーブルの前に腰を下ろすと、申し訳なさげに高島君は言う。



「え?何で謝るの?
私全然ココ好きだよ。」


「記念日なのにどこも連れてってやれなくて。」


「いいよ。
もぅすぐ、夕焼けだね。
久しぶりだから楽しみ♪」



窓の方を見てベットに頬杖をついてウキウキしてる私を、高島君の優しい腕が包む。


高島君の方を向くと、ギュってしてくれた。

そして囁く高島の声は、さっきより耳に近い。



「今度休みの時、出かけようね。」


「…うん。」



返事をするのがやっとに思える程、色っぽい男の人の声。
どんな表情で言っているのか、抱き合っていて顔が見えないから


余計にドキドキするょ…!


高島君の胸に埋もれてみると、高島君もドキドキしてるのがわかる。



とくん…とくん…とくん…



私と同じ位早い。



高島君も私にドキドキしてくれてるんだね。



嬉しくて、高島君の背中に回していた手に力が入って更にピットリくっついてみる。