「なんか、ヤケに目線を感じるのは気のせい?」
並んで歩いていると、高島君が周りをキョロキョロして言った。
私も、薄々気が付いてたよ。色んな人達が、すれ違う私達を見てる。
振り返って見る人もいるし。
きっと何であの男に、あの女?
みたいな。
そんな目線だろう。
女の子が高島君を見た後私を見る時、刺さる様なまなざしで見てたから。
でも高島君は
「チロチロみやがって、俺の実莉なのに、感じ悪くない?」
――へ!?
何て言った?
高島君…自分の方が熱いまなざしで、女の子から見られてるの気付かないの?
私が男の人に見られてると思ってるの?
浴びせられる、イタイ目線にちょっとブルー入ってた私だけど
おかしくて笑いながら言った。
「私じゃなくて高島君見てるんじゃない?
背が高いし目立つもん!」
「え!?
そうなの?
いや、ちがうだろ~。
とにかくもっと近寄って歩いてよ。
心配になってきた。」
そう言って、繋いだ手を自分の体の方に引寄せた。
顔が高島君の腕にくっつきそうな位の距離。
控え目に薫る高島君の香りが、私をしっかり包んだ。