「高島君と付き合ってるんでしょ?」
びっくりして声のする方を向く。
気がつくと歩が横に座ってて、ポツリと私に言った。
「希美が言ったでしょ?
あのおしゃべりさん。」
歩は、遠くでふざけている希美を微笑ましそうに見て言う。
私は言葉が見つからないまま、黙って話の続きを聞く。
「私はもぅ なんともないから、気にしないで頑張ってね。
希美がね、実莉気が付いてたみたいで、耐えきれなくて言っちゃったって謝ってくれたの。
希美を間に挟まらせちゃって、実莉にも辛い思いさせちゃって、ゴメンね。」
「やだ!謝らないでよ?
歩なんも悪くないし!
私こそ、知らなくてもあんなふうに浮かれて騒いで、嫌な思いさせてゴメン…。」
歩が謝る事じゃないのに…。謝らせた事と自分の無神経さに、私も謝る。
「何か変だよね、私達!」
「これからも宜しくね!」
そう言って、目を合せて笑い合う。
思いがけないタイミングで、私のモヤモヤがひとつなくなった。
私達は夜まで大騒ぎで、クリスマスを友達同士楽しく過ごした。