少し頬を赤くして 伏し目がちに話す彼女を見て僕は思った。


キレイな人だな…。

長い睫毛。

形の良いくちびる。

細い首。

すらりと伸びた長い手足。


そして 甘い香りがした。



「私 久しぶりに友人に会うので ここで花を買って行こうと思って。」

「そうですか。僕もこれから友人と約束があって…。あー そろそろ時間だ。それじゃ。」

「あ それじゃ。」

お互い軽く会釈して別れた。


僕は胸の高鳴りを隠すように足早にその場を離れたのだった。