「朱雀さん、もう一杯如何ですか」
「ん。有り難う雪姫」

朱雀さんがカップを手渡しながらニコリと笑う
俺はそれを文字通り頭を抱えながら眺めた

「わっかんねぇ…」

ほんとワケ分かんねぇ
英語ってこんな難しかったか?
アメリカ人、こんな難しい言語扱ってんのかよ。それだけで凄ぇよ







「御疲れの様ですね」
「うわ、びっくりしたぁ」

振り返ると、何時もの礼儀正しい周さん

「受験勉強ですか。御疲れ様です」
「俺が1番やばいんすよ。馬鹿なクセに勉強してなかったから」

乾いた笑いで周さんに言った
周さんは少し困った顔をして俺の肩にぽんと手を置いた

「余り無理はなさらない様に。根を詰め過ぎるのもいけませんよ」
「そうは言うけど根詰めねぇと…」
「まぁ。気分転換に私と一戦、御相手願えますか」

「……………」

最近、大祐も忙しくて俺も部活に顔出すの自粛してたから久し振りだな…
組み手に誘われると殆ど引き受ける俺の意志の弱さったら無いよな

「じゃあ、1回だけ…お受けします」