「優・・・?」
あたしは恐る恐る聞く。

「っーぅっ」
聞こえるのは、優のすすり泣く音。

辛かったんだろう。
好きな人にあんな風に言われたことを
聞いてしまったから・・・

「・・・ごめん」
「・・・えっ?」
「ひどいこと言って・・・
叩いたりして」
そう言ってあたしの頬を触る。

「沙羅さんのことじゃないの・・・?」
「沙羅っのこ・・とは薄々だけど気っづいて・・た」

そうだったんだ。

「ごめん・・・ごめん・・・っ」

「大丈夫だよ優。
あたしは大丈夫っ」

そう笑ってあたしは言った。

「ありがとう・・・綾乃」

・・・
綾乃?
優があたしの名前を呼んだ。

あたしの目からは雫がこぼれた。

「何で泣いてるの」
「だって・・・」
「ばーかっ」
そう微笑んであたしの涙をすくってくれた。

「優・・・女嫌い治った?」
「全然」
がーんっ
「でも・・・」
「ん?」
「綾乃なら大丈夫な気がする・・・」

優の口からこんな言葉が出てきて、
嬉しすぎてあたしは微笑んだ。

優も微笑んだ。
この瞬間、優に少しは
信頼してもらえたかな?
そう思った。

そして・・・
－やっぱり
　あたしは優が好き－