さっそく、坂田にメールして
呼びだしをかけた。

すぐに返事がきた。

~もう、いいよ。さっきのことは
気にしてない。明日、学校でな~
   
どうやら、けんかの続きを挑まれた
と思っているようだった。

違う違う。

今日は、バレンタインなんだって場。

「ちょっと貸してください」
「え?」
桜井春は、私の携帯を横取りすると
すごい指さばきで坂田に返事を打った。

「何してるの?」
「もう、じれった過ぎるんです」

パチパチパチパチっと打って、すぐに削除された
内容は私も分からない。

すると、また返事が来た。

~分かった。じゃあ、公園で~
と了承の返事。

「なんて打ったの?」
「今日は、バレンタインでしょ。チョコを
 渡したいって打った」
「え?わし、そんなの打ってない」
「私が打ったんだから、そうですよね。うふ。
 さあ、行きましょう」