俺はそれを手にとったまま…何も考えられなかった。




まさか…真琴に限ってそんな馬鹿なことなんて…頭の片隅にもなかったし…



その上…それほどのお金が必要だとは思ってもいないし…





ーー何で



ーー何のために



ーーいつから…



ーー真琴は…Hの経験は…






頭の中はだらけで…理由も動機も目的も…何一つ解らなかった。





その真琴の名刺を手にしたまま…茫然となっていると…階段を真琴がのぼってくる音で自分に返った。