少しでも力を緩めると今にも炎の中に飛び込みかねない真琴を…無くしたくなかった。 もうこれ以上…大事なものを失いたくなかった。 辺りには隊員の怒号と、パチパチと燃える炎の音と… 真琴の悲鳴にも似た泣き声だけが夏の夜を焦がしていた。 抱きしめながら…俺は真琴の両親が無事であることだけを願っていた。