真琴の泣き顔を抱きしめながら俺の目からも、あの日…唐津の海に流してきたはずの…もう残ってるはずのない涙が溢れてきた。




しばらくして俺の胸に顔を埋めたまま真琴は「マア兄、子供好き」と聞いた。



俺が「好きかな」と答えると真琴は「欲しい産んであげよか」と言った。





正直…ドキッとしたが…その時の俺は何と答えたらいいのか分からなかったが…それでも…真琴の優しさが嬉しかった。


多分…それまで生きていられないから…真琴に俺の子供を産んでもらうことなどできるはずもないことは自分の身体だけに分かっていた。