真琴がゆっくりと声がした方へ行くと…一人の老人が庭の木の剪定をしていた。





顔は真樹の面影が感じられるような穏やかな雰囲気を漂わせていたが…真琴が声をかけても…真琴の方を見るでもなく…植木の剪定を止める様子もなかった。





「あの…真樹さんのお父さんでいらっしゃいますか」



「そがな男はうちにはおらんが…それが…」



と言いながらも手を休める訳でもなく…真琴を見る訳でもなかった。