バイトに向かう道で視線を感じた。
曲がり角のガードレールに軽く腰かけた女の子。
私が、店に入るまでずっと見ていたような気がする。
嫌な予感をかき消すように、さくらの恋の話を聞いた。
「やばいんです!!庸介、いじわるばっかりするんです。今日も、掃除してたらわざとゴミ投げてきたりするんです!!」
私の友達の好きになる男は、どうしてSばっかりなんだろう…
女の子は、基本的にちょっといじわるな男が好きなのか…
美亜の隆介といい、
さくらの庸介といい、
さやみの元彼も…
先生だって、ちょっとSだし…
たっくんってどうなんだろう?
エッチの時は、ちょっとだけSっぽいかも知れないけれど…
普段は優しいよね。
だけど、お前~って言うし…
そう言われたときにちょっと嬉しい私もいて…
私も、Mなのかなぁ。
エッチの時に
『気持ちいいって言えよ~』とか言われたら、めちゃめちゃ感じちゃうし。
たまに軽くお尻とかペンペンされちゃうと、やばいくらいに感じてる…
「ちょっと、ゆかり先輩、何ニヤけてるんですかぁ?たっくんまだ来てないのに。」
「あ…ちょっと… ねぇ、さくらは、M?」
私ってば、高校生に何変態な質問してるんだろう…
「えぇ??ゆかり先輩なんてことを~!!もしかして、たっくんとSMごっことかしてるんですか?」
さくらのその声が、店に入ってきたばかりのたっくんの耳に届いてしまった。
私の隣を通り過ぎる瞬間に、耳元で…
「今度、目隠ししようなぁ…はははは!」
また、たっくんのエロに火を付けてしまった…