なんなんだ??
……変なやつ。
それが、あいつに対して最初に抱いた感情。
ここの学校は各学年10クラスもあるから
見覚えのない生徒がいるのは当然で
一度見たって覚えれない生徒がいるのも当然で
そんな中俺は
お前だけは
なぜか一度で覚えたよ。
それから、無意識にお前を探してた。
お前はすぐ見つかった。
学年集会の日
俺が授業を受け持ってない9組の女子の列の先頭にいたんだ。
近くにいた9組の担任の先生に
「女子の1番前にいる生徒
なんて名前ですか?」
俺は気がついたらそう尋ねていた。
「天野 雫ですよ?
彼女がどうしました?」
ふくよかな、40代のおばさん先生であるその人は
ゆっくりと俺に聞き返す。
天野 雫…
いかにも雨が好きそうな名前に
俺は思わず吹き出して
そんな俺を
おばさん先生は不思議そうに見ていた。