｢俺と…付き合って…
俺の彼女になって？｣

直は､もう一度私に気持ちを伝えた


吸い込まれるくらい真剣な眼差しで私を見ていた直の目にウｿはなかった


でも…

それでも私は

私が出す答えはひとつしかない…



｢ごめん…ムリ｣

私は真剣な直から目をそらした

｢何で？｣

直の声は鋭い

｢何でって…｣

(私には翔太がいる)


｢翔太の事か？｣

一瞬心を読まれたのかと思った

｢うん…私､翔太と約束したもん…｣


｢約束ってガキん頃のかよ…｣

｢……｣

｢バｶじゃねｰの？｣

｢…え｣

直は小さく呟いて…


そして私の頭を自分の方に引き寄せた

次の瞬間､私の唇に生暖かい感触が宿る


最初
何が起きているのか分からなくて
頭の中が真っ白になった…


すべて悟った時に私は直を突き飛ばした



"直にキｽされた"